審査員講評

南 良和 (写真家) 審査委員長 


 日本一の河川面積をもつ埼玉県の魅力的な景観を表現した「川の国埼玉フォトコンテスト」には、予想以上の傑作が集まった。
 審査会は、主催者を含めた6名の審査員で行った。部門ごとに、各審査員が推薦する作品を第一次・第二次と選考し、見落としがないように再度選考した上で予選通過作品を決定した。各審査員から推薦理由を聞き、類似作品などのチェックをしながら、一点ずつ慎重に決めていった。各部門とも、上位入賞作品は、新しい視点で撮影した感性のある写真を選ぶように心がけた。
 一般部門・最優秀賞の「涼」は、五感を感じられる。画面の3分の2を占める滝の流れの上に家族や友人の憩う姿がスポットライトのような陽光を浴び、楽しい声が聞こえてくるような作品である。
 ジュニア・部門最優秀賞の「清流」は、晴天の空が水面に美しく反射し、いつもまでもこの清流を残してほしいと思わされた。
 キッズ部門・最優秀賞の「ハイ、ポーズ」は、三羽の白鳥が菜の花の周りで遊んでいる作品である。達郎君の付けたタイトルは、羽根を大きく広げた瞬間をそう考えたのは面白いと思いました。


岩田 省三 (写真家・「荒川を撮る会」代表)


 「川の国」と云うテーマは、大変に表現の幅が広く、どのような作品に出会えるのか楽しみでした。
 応募された方が、やや県南エリアの傾向が見られ、結果、「川と人との共生」を主とした、川との出会いによる心身への豊かさを表現した作品が多かった。
これは、現代生活を営むうえで、自然環境が、如何に必要であるか・・・。
潜在的な感性が表現に結び付いているのではと考える。
 表現面では、素直に心に映ったイメージを楽しみながら撮った気持の良い新鮮な作品が多く、特に、キッズ部門に見られたのはうれしい。
デジタル化により、スケッチ感覚でシャッターを押せることが、表現の幅を広げているのでは・・・。
 一方、川、本来の姿、美しさを表現した作品が少なく、コンテストの内容をより充実させてゆくには、「川」をテーマにした作品の応募に期待したい。
 このコンテストが、回を重ねることで、川や水環境に関する対話の場に広がってゆくことを願っております。


羽田 耕治 (横浜商科大学商学部貿易・観光学科 教授)


 自然系の観光資源の魅力を利用者に訴えるには、季節・時間帯や(周辺の景観も含めた)見せるポイントの選び方、さらに花との組み合わせ方など、「見せ方、紹介の仕方の工夫」が大切である。
 今回、応募された数多くの写真はこうしたことをよく示しており、ともするとこれまで観光関係者が気付かなかった、既存の観光資源の魅力を文字通り新しい視点、切り口から知らしめてくれた。
その意味で埼玉県の観光資源の発掘とイメージアップ、そして「新しい埼玉県観光の顔」づくりに大きく寄与したコンクールであったといえる。

 

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